友人たちは私が神奈川に行ったまま帰って来ないかもと心配していたらしく、私がトイレに行っている間に
「 あいつ帰って来るかな? 」
「 帰ってくるでしょ〜 」
「 そうだよな、友達だもんな 」
そんな会話をしていたらしいです。
そんな中、車は順調に石狩の港へと向かっていました。
着いた夜の港は真っ暗で、所々に灯りが灯っているだけ・・・
夜の港を私たちの車は、ヘッドライトのみを頼りに進んでいました。
と、その時、運転をしていた友人が急ブレーキを踏みました!
そして次の瞬間、車止めを乗り越えて車は海へ落ちていってしまったのです!
その瞬間は、今思えばスローモーションのようで、車内に鳴り響く音楽だけが記憶に残っています。
落ちた車は運良く海に浮かび、運転をしていた友人が尋ねました。
「 ごめん、大丈夫か? 」
幸い3人とも怪我もなく無事でした。
「 窓から出よう 」とその友人は言い、パワーウィンドウではない当時の車の窓を自力で開け、3人とも外へ脱出し車体にしがみつきました。
しかし無情にも車は海へ沈んでいってしまいます。
渦に巻き込まれながら、全員が海の中へ飲み込まれていきます。
しかし次の瞬間、私は泳いでいました!
後ろの方に友達の姿も見えます・・・
5月の北海道の海はまだ冷たかったです。